[32] リレー小説本編スレ4 [ 返信 ]
Name:鈴木ニコ Date:2011/12/02(金) 00:08 
リレー小説本編を書き進めていくスレです。
文章の解釈に迷ったり今後の展開などで言いたいことがありましたら設定用掲示板のリレー小説議論スレへどうぞ。
設定用掲示板:http://www3.atpaint.jp/mysyn/index.htm

ミンちゃんに倣って、新しいスレッドを立てました。どんどん盛り上げていきましょう!(`・ω・´)

[33] RE:リレー小説本編スレ4
Name:鈴木ニコ Date:2011/12/03(土) 00:51
結局、自分たちではあの場をどうすることもできなかった。仕入れの一行が持っていた通信機を借りて、ユメトが警察に連絡をした。荒れた林道に車を乗り付けることは困難だったので、公道までは歩いて移動することになった。重傷者は、駆けつけたレスキュー隊員が担架で運んだ。救急車に乗り込む際、一人の女性にお礼を言われた。要が助けた彼女だった。要は小さく首を横に振った。

アスクレタウンの病院で軽い手当を受けた後、五人は警察に一連の出来事を伝えた。ムウマの縄張り。戻って来ない仕入れの一行。千鶴と名乗ったメタグロス使いの青年。躊躇なく発動されたじしん攻撃。最後に千鶴がインカムで通話をはじめたくだりで、これまで淡々と事情聴取を行なっていた刑事が難しい顔をした。ユメトはそれを見逃さなかったが、情報をひととおり提供したところで、五人は帰されてしまった。


警察署を出ると、外はすっかり暗くなっていた。そのまま今夜の宿泊先であるポケモンセンターへ向かう。今回の事件で町に食糧を届けることができなかったため、センターでの夕食はかなり質素な物だった。それでも五人にとってはようやくありつけた食事だが、冷凍食品のピラフはなかなか喉を通らなかった。
橘平の席は、最後まで空だった。

「橘平くん、」
手術中のランプが灯る治療室前の廊下。設置されたベンチに腰掛けることもせず、橘平はただそこに立ち尽くしていた。名前を呼ばれたような気がして振り返ると、ユメトと巡が心配そうにこちらを見ていた。巡はピラフと水が載ったお盆を持っている。
「らいでん、朝には完全に回復するって」
「すこし休憩しませんか?」

表面がぱさぱさになったピラフには別段感想を抱かなかったが、空腹が解消すると、心の虚しさも落ちついてきた気がした。そんな橘平の様子を見ていたユメトが口を開く。
「女の子たちには先に休んでもらったよ。司ちゃんは、橘平くんが戻るまで待つ!って言ってたけど」
ちなみに、要はおやすみなさいを言う前に居なくなっていた。

「………………………迷惑、かけたな」

ぽつりと呟かれた橘平のそれに、ユメトと巡はきょとんとしたが、すぐに相好を崩す。
「橘平さんは、踏みとどまってくれてよかったです」
「そうだね。司ちゃんに感謝しなきゃ」
足引っ張るの、上手だね。千鶴にはそう言われたが、司が止めていなければ、あの惨事は橘平が起こしていたかもしれない。結果は似ているようで大きく違う。たとえ、それが原因でポケモンバトルに負けたとしても。

「………そう、だな………あいつらにも」

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CCDの存在って、一般人にも教えていいものなのかな?別に秘密組織じゃないか。
この後、男子三人でお風呂入ったりするんだろうな。私は女子部屋が気になる。

[34] RE:リレー小説本編スレ4
Name:スラリン Date:2011/12/03(土) 15:19
「……眠れないの?」
「…起きてたのか」
「あなたの寝返りの音がせわしなく聞こえるから」

つまりは、お前がうるさいから寝れないというわけで。
司はむくりと起き上がり、要のほうを見る。目が合うどころか、要はこちらに顔を向けてすらいない。
「まだあの事気にしてるの?」

『足引っ張るの、上手だね』

あの言葉が今でも耳にこびりついて離れない。
事実、かなり心にきていた。
気にしてなんていなければ、こんなに疲れてるのに起きているわけがないじゃないか。
息苦しさにシャツの胸元のボタンを一つ外すと、深くため息をついた。
「…君は、強いね」
「強くなんてない」
正直に言えば、今まで司は要のことをただのか弱い少女だとしか思っていなかった。
自分が彼女を守らなければと内心固く決意していたのだ。
それなのに、要があの男に立ち向かった時、
(僕は一歩も動けなかった)
要も、アスクレの人も救うことが出来なかった。
自分の情けなさに泣きそうな気分になる。

「…あなたがあの時ああ言わなかったら、ニドキングのトレーナーさんはあの男と同じことをしていたと思う」
「え、」
ぽつりと要が呟く。
「それでも、あの時言ったことを悔やんでる?」

要は相変わらず顔を向けないので表情は分かりかねたが、
(…励まして、くれてる?)
しばらく状況がつかめず、ぽかんと口をあけていた司だったが、すぐに笑みを浮かべた。
「いや、後悔はしてないよ」
起こした体を再び横たえる。
「あんなことを言われたのは癪だけどさ。あの時橘平を止めれたことを僕は誇りに思う」
返事は無い。彼女も眠いのだろう。
今はあの男のことよりも、儀式に臨む彼女のことを気遣うことが大事だ。
「要、儀式頑張ろう。僕も精いっぱい手助けするよ」
「…おやすみなさい」
「お休み」
あんなにもやもやとしていた気持ちが、彼女の言葉ですうっと消えていくのを感じた。
この子は自分よりもよっぽど立派だな。
今度は、時間はかかったがちゃんと眠ることが出来た。

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女子部屋の様子。かなめたんがデレなくて苦労した…。この2人はいつ仲良くなるんだろうね。
物語全然進みませんでした(´・ω・`)

[35] RE:リレー小説本編スレ4
Name:ミンズ Date:2011/12/04(日) 16:38
「橘平くん、そろそろ風呂入ろっか」
ユメトが誘う。
「俺はやめとく。こっちはいいからお前ら入って来いよ」
橘平が答えると、巡が気遣わしげに口を開く。
「一晩中ここにいるつもりですか?体調を崩しますよ」
「そうだよ、らいでんもそんなこときっと望んでない。背中流してあげるから、一緒に疲れ取ろ?」
「うっせえな、」
反射的にそう返して、橘平はいつの間にか自分が彼らと普通に会話していたことに気付いた。
決まり悪さについ口調が荒くなる。
「入らねぇっつってんだろ!とっとと失せろ!」
「ですが、風呂くらいは…」
巡が食い下がりかけて、ユメトに肩を叩かれてやめる。
「橘平くんも不安定になってるみたいだね。今はそっとしておこっか」
ユメトは巡にささやくと、橘平に向かって笑いかけた。
「じゃあ、俺たち風呂入ってくるから。無理しないようにね」
「風呂上がったら寝ろ。もうこっち来んじゃねぇぞ」
「わかったよ。ありがとう」
「馬鹿野郎!気遣ったわけじゃねぇよ!」
吠える橘平にユメトは笑みを深めると、巡を促して歩み去った。
小声で呟く。
「少しは仲良くなれたかな?」


どうやら、うとうとしていたようだった。
左肩に重みを感じて顔を向けると、手術中のランプに仄かに照らされたユメトの寝顔が乗っていた。
払いのけようとして、やめる。
自分の肩と膝に毛布がかけられていた。
「……」
来んじゃねぇって言ったのによ。
心の中で呟いて、無造作にユメトの膝からずり落ちかけている毛布を直す。
ユメトの向こうでは巡も眠り込んでいた。
橘平は不機嫌な顔を作ってため息を一つつくと、目を閉じた。
眠っていて2人が来たことに気付かなかったことにするか。
そう決めて、そのまま眠る体勢に入るのだった。

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男子組動かしづらい…キャラ違ってたらマジすみません…orz
ハルくんのお風呂が気になるようでしたら朝シャンさせてあげてください。

[36] RE:リレー小説本編スレ4
Name:日夏ゆうり Date:2011/12/05(月) 21:45
 次に目が覚めた時には朝だった。ユメトと巡はいなくなっており、橘平の膝の上に毛布だけが残されていた。座ったまま寝ていたからか背中が痛いが、気分は悪くない。
 手術中のランプが消えていることを確認して、受付に向かおうとした時、タイミング良くジョーイが現れた。
「あら、起きた? あなたのニドキング、すっかり元気になったから、知らせようと思って来たの。丁度良かった」
「すんません」
 はいどうぞ、と手渡されたモンスターボールを、橘平は慣れない仕草で軽く頭を下げてから受け取った。早速開閉スイッチを押すと、傷の癒えたらいでんが現れた。ガウ、と一声、嬉しそうに尻尾を振っている。
 その様子を見て、橘平は一瞬ほっとした表情を見せたが、直ぐに顔をしかめた。昨日の悔しさが徐々に思い出されてくる。
 思えば、ここまで派手に負けたのは久々だった。状況が状況だったが、そんな状況に持ち込んだ自分にも非がある。
(こんなンじゃまだまだ届かねェな……)
 心の中で呟いてから、らいでんに話し掛ける。
「らいでん、今回のは俺の力不足だ。つらい思いさせてごめ……」
 橘平がその全てを言い終わるか終わらないうちに、らいでんは橘平のことを抱き寄せた。そんなこと気にするな、とでも言うように。強く、全力で。

「いっ……てェエエエエ!!!」

「何かさっき、橘平さんの悲鳴が聞こえた気がしたんですが、大丈夫ですか……?」
「え? あ……うっせえな、気のせいだろ」
 出発する準備を済ませ集合した後、巡に開口一番聞かれた。橘平は上手くはぐらかしながら、まだずきずきと痛む腕をこっそりさする。らいでんは、ボールに戻す直前までばつの悪そうな顔をしていた。
 橘平にはらいでんの他に、もう一人声を掛けなければいけない相手がいるのが分かっていた。その相手――司も先程から、ちらちらと橘平の方を見ている。
 しかしながら、気心の知れたらいでんの時のように上手くはいかない。頭では分かっていても、口は言うことを聞かなかった。
「じゃあ、そろそろ出発しようか。今度こそ神器を司る一族に挨拶しにいかないとね」
 ユメトが引率の声を掛ける。
 ここで言わなければますます言いづらくなる。そう思った瞬間、言葉が口をついて出た。
「おい、王子!」
「え?」
 先を歩き始めた司が振り返る。
「お前だよ、分かってんだろ。女のくせに王子サマみてえだから王子、文句ねェよな」
「それは……文句無いけど……」
 そう言いながら、司も言葉を探すように視線を泳がせていた。司の隣にいた要がじっとこちらを見ている。何だかいたたまれなくなって、橘平はいよいよ意を決した。
「昨日はよ……その……悪かっ……わる……わァアア!!」
 意を決したはずだったのに、言葉が長引けば長引くほど恥ずかしさが比例して、遂には爆発してしまった。皆の表情を眺めているうちにその恥ずかしさは数割増しに跳ね上がる。
「橘平」
「なっ! 何でもねェよ! ほら、行くんだろ神社! とっとと行くぞ!」
 橘平が顔を背けると同時に、今度は司が声を掛けた。しかし橘平はそっぽを向いたまま、ずかずかと歩き出す。後ろは振り返らずに、真っ直ぐ前を。神社までの道は良く分からなかったが。

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わああああ長いごめんなさい!><
とりあえずここまで書いときたいってところまで進めたらこんな長さに…

ソウルシルバーによると、ニドキングの尻尾は締め付けた相手の背骨も簡単にへし折るくらいの力らしいです^^^^^
背骨とか…大丈夫なのだろうか…

[37] RE:リレー小説本編スレ4
Name:ミンズ Date:2012/01/03(火) 14:40
15分ほど歩くと、森を背にした小さな神社にたどり着いた。
辺りに人気は無い。
見回すと、神社の脇に住居らしき建物があった。
「すみませーん」
緊張した面持ちで司が声をかける。
「はーい」
中から若い女性の声で返事が返ってきた。少し間をおいて足音が近づいてきて、戸が開けられる。
どう挨拶しようか迷って司が一瞬口をつぐんでいる間に、女性は5人の姿を見て、要が抱いているリミティを認めるなり言った。
「儀式の方ですか?」
「はい」
司が答えると、女性は微笑んだ。
「ようこそいらっしゃいました。こちらへどうぞ」
5人を中へと招き入れる。
そのまま客室に通され、茶と茶菓子を出される。
「どうぞくつろいでください。着替えて参りますので、しばらくお待ちいただけますか」
「はい。ありがとうございます」
女性が出て行くと、皆は何となく沈黙した。どことなく緊張した空気が漂う。
ユメトが茶菓子に目をやって、敢えてのほほんとした口調で言う。
「いかりまんじゅうがあるよ。一昨日食べたのもおいしかったよね」
ひょいと饅頭を手に取って割ると、嬉しそうに笑う。
「要ちゃんが持ってきてくれたのはつぶあんだったけど、これは白あんだよ。いろいろあるんだね」
それを聞いて、皆わらわらと饅頭に手を伸ばす。
「僕のは味噌あんだ」
「俺のも味噌あんです」
「俺のはまたつぶあんだ…」
橘平の言葉を聞いて皆笑う。和やかな雰囲気になった。
要は黙々と茶をすすっていた。
皆が饅頭を食べ終わった頃、女性が姿を現した。
「わあ、巫女さんだ!綺麗!巫女さんだ!」
巫女姿の女性を見て要が興奮する。
「ジョウトの代表者はこちらへ。他の方は申し訳ありませんがもうしばらくお待ちください」
「私だけ?」
「ええ」
「巫女さんと2人きりで?」
「はい」
「やったー!行く行く!」
あらぬ期待をした要が女性の後ろについてスキップを踏まん勢いで歩いていく。
他の4人は要に緊張した様子が無いのを見て安心すると、再び談笑に戻った。
30分ほどして、女性と要が戻ってくる。
「お待たせしました」
女性の後ろで、白装束に着替えさせられた要が蒼い顔をしてガチガチと震えていた。
「何があったんだ?」
思わず橘平が尋ねる。
「禊をして身を清めていただきました」
「みそぎぃ!?他の地方の神器取るときもやるのか?」
「それぞれの地方の伝統様式に従いますので、するところとしないところがあるのではと思います」
橘平はカントーの伝統様式に禊が無いことを願った。
要のあまりの顔色の悪さに、司が声をかける。
「大丈夫?」
「全然大丈夫じゃないよ…初対面で冷水掛けプレイとかハードすぎるよね……っていうか何で私が掛ける側じゃないの?」
どうやら大丈夫なようだ。
「神器は森の奥に安置してあります。案内いたします」
一同が女性に導かれて建物から出ると、そこには派手な配色の青年がメタグロスを従えて佇んでいた。
「橘平くん、待ってたよ!」

++++++++++++++++++++++++
遅くなってすみませんorz
めぐつか味噌あんおそろい!
かずまさん出そうか迷いましたがやめておきました。
必要でしたらこの後千鶴ちゃんが建物の陰に声をかけて陰からかずまさん登場→「兄貴…!?」なんて流れになってもいいかと。

[38] RE:リレー小説本編スレ4
Name:如月ユイナ Date:2012/01/04(水) 04:22
「…!…神崎…千鶴…ッ!」
「おれの名前覚えてくれたんだ?うれしい!」
建物の前で一行を待ち構えていた千鶴は、憎々しげに千鶴の名前を吐き出した橘平に、本当に嬉しそうな無邪気にも見える顔で笑った。それから、その笑顔のまま小首を傾げて続ける。
「でも、今度もまた邪魔のないとこで会えなかったね。ニドキングは元気になった?」
「ッ!」
その言葉に思わずぎゅっとらいでんの入ったボールを握った橘平を見た、司の表情が翳る。それを眺めていた千鶴が、うん、と頷いた。
「なったんだ!じゃあまたおれと遊ぼ!」

言うなり傍らのメタグロスを臨戦態勢にさせた千鶴に、反射的に橘平もらいでんを出そうとボールを開こうとしたが、その橘平の前に二つの人影が進み出た。ユメトと、巡だった。驚いてボールを開きかけて止まってしまった橘平に、ユメト達が笑いかける。
「俺たち、昨日ポケモンセンターで二人反省会したんだ。」
「折角この旅は仲間と一緒にするものなのに、前回は見ているだけで終ってしまったので…」
「そう、これからは協力プレイしないとね?」
それを聞いて目を見開く橘平の後ろから、更にもう一人進み出た。司だった。
「僕も…。僕も、入れてもらうよ。反省会したのは、二人だけじゃない。」
そうして千鶴と対峙した四人を一人後ろで見ていた要が複雑な表情をしていたのが見えたのは、千鶴だけだった。それを一瞬視界に入れてから、その後視線を戻して不服そうな顔で千鶴が言う。
「そういうの、すっごい面倒!おれは橘平くんと遊びたいんだから黙っててよ。」
「千鶴さん、本末転倒ですよ。」

今にも橘平以外の儀式者達を一掃して、橘平と”遊べる”状況を作ろうとでもしそうだった千鶴に、建物の陰から声がかかった。それを聞いた千鶴が、不機嫌そうだった表情を途端に明るくして嬉しそうに声を上げる。
「かずっちゃん!そっちはもういいの?」
千鶴の問いにその建物の陰にいる者からの返事が来るまでのコンマ数秒の間に、橘平は胸が嫌な風に締め付けられるのを感じた。彼が、ここにいる筈はない。そう思っていたからこそ、前回千鶴がその愛称でインカム越しの相手に呼びかけていたのを今の今まで忘れていた、というか気にしてもいなかったのだが、聞こえた声が、あまりにも馴染みのありすぎるものだった。そう、一瞬で誰のものだか分かってしまうくらいに。

「問題ありません。あちらでの俺の任務は遂行しました。千鶴さんこそ、また遊んでて大丈夫なんですか?」
そう言いながら姿を見せたのは、橘平の予想通りの人物だった。あまりの出来事に、橘平の頭が真っ白になる。それに全く気づかない素振りで、その人物は千鶴の横に並んだ。
「始末書、俺の代筆じゃ限界がありますよ。」

「……兄、貴…。」
「え?」
橘平の口から零れた言葉に、それをなんとか拾ったユメトが聞き返す。しかし、橘平の返事よりも相手の言葉の方が早かった。
「おう、橘平。元気でやってるか?」
「な…んで…ここに?」
思わず尋ねてしまった橘平だが、何故ここにいるのかは明白だった。彼の立っている場所は自分の隣ではなく、神崎千鶴の隣だったのだから。任務、始末書。断片的な情報ではあるが、彼らがここに待ち構えていたのに何らかの思惑が働いていることは安易に想像できた。だが、そこに兄がいることは納得できないし、したくない。そんな橘平に、兄はいつもの調子で答えた。
「なんで、か。それは家族にも言えないことになってるな。…まあ、でも。」
喋りながらインカムの位置を直した兄に、この時橘平は初めて兄と千鶴のつけているインカムが、色こそ違えど全く同じデザインであることに気がついた。
「俺は今CCDとして動いてる。千鶴さんは、俺の相棒だよ。」
「そう!かずっちゃんは、俺の相棒だよー!」
嬉しそうに兄に続いた千鶴を見ながら、橘平の中で一つ謎が解けた。初対面の千鶴が自分を知っていたのは、兄が千鶴に自分の話をしていたからだろう。そんなこと予想もしなかったが、これが答えらしい。

「悪いな橘平、千鶴さんが遊んだ分急いでるんだ。話はここまでにさせてもらうな。」
そう言った橘平の兄が、自然な動作でボールを放り投げた。眩い閃光を放って、ボールの中からニドクインが現れる。自然すぎて橘平はただ眺めてしまったが、その前にいたユメトや巡は臨戦態勢で、今にもバトルが始まるということに一拍置いて気付いた後、今度こそらいでんを場に出した。

「千鶴さん、こっちは俺が片付けますから、橘平をお願いします。」
「え、いいの?」
「そうでもしないと千鶴さんが満足しないでしょう?今回の目的を忘れてますよ。」
「あっ!そうだった!ありがと!」


+++++++
長いのでぶつ切り。
かずまさんの名前出せてませんすみません!
バトルが一段落したらとかバトルの最中とか申し訳ないですけどタイミング見て名乗らせてあげてください…。きっぺちゃんが言ってくれてもOKだと思います。

[39] RE:リレー小説本編スレ4
Name:スラリン Date:2012/01/04(水) 19:32
スレ長くなっちゃったので、ここで切りますね(`・ω・´)
次のスレ立ててきます!

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