[1] リレー小説本編スレ1 [ 返信 ]
Name:ミンズ Date:2011/11/12(土) 20:26 
リレー小説本編を書き進めていくスレです。
文章の解釈に迷ったり今後の展開などで言いたいことがありましたら設定用掲示板のリレー小説議論スレへどうぞ。
設定用掲示板:http://www3.atpaint.jp/mysyn/index.htm

スレが長くなったなと思ったら適当に次スレ立ててくださってOKです。

[2] RE:リレー小説本編スレ1
Name:ミンズ Date:2011/11/14(月) 00:44
ざーん…ざざーん……
寄せては返す波の音を心地よく聞きながら、彼は海を眺めていた。
「ふむ…今回の若人どもはどんな面構えをしておろうか」

ここは、大海原にぽつんと浮かぶ緑豊かなマイシン島の玄関、港町ククルタウン。
20年に1度行われる神事の始まりの町である。
彼は儀式に臨む若者たちに訓示を授ける役割を担っていた。
20年前も、訓示を授ける先代の傍で儀式の始まりを見守っていた彼は、今度は自分が訓示を授ける役であることを感慨深く思いながら潮風に目を細めていた。
まだ若者たちが到着するまでに時間がある。
彼は眩しげに水平線の彼方へ目をやると、きびすを返して彼の仕える神社へと入っていった。
++++++++++++++
こっから1人ずつ港に到着したシーンに入ってキャラクター紹介的シーンにつながるのをイメージしてますが他の展開でも何でもどうぞ!

[3] RE:リレー小説本編スレ1
Name:スラリン Date:2011/11/14(月) 06:06
港に1人の少女が降り立つ。
「んっ…、少し寝違えたかな」
船の旅は快適だったが、緊張していたせいなのか起きてから少々首が痛い。
初日からこんなことで大丈夫かと、彼女は自分にため息をついた。
彼女の名前は平儀野 司(ひらぎの つかさ)。結界を破る能力を持つゼブライカをパートナーにする、イッシュ地方の代表者だ。
ヒウンの港には、両親と弟、従兄弟の明が見送りに来ていた。

『司、頑張ってこいよ』
『あんたなら大丈夫だよ。信じてる』
『つかさちゃん、いってらっしゃい!』
『頑張ってね。あ、お土産はロールケーキね。あそこのロールケーキ好きなんだよ』
『お前な…』

―今思うと、突然のことだった。
6年前、儀式に出るはずだった明がパートナーの死を理由に参加できなくなってしまったのだ。
その代わりに白羽の矢を立てられたのが僕だった。あの日から僕たちは出来る限りのことをしてきた。
…大丈夫、絶対うまく行く。6年前の自分ではないのだから。

腰のプレミアボールがごとごとと動いた。
「そうだな、メイリオ。ため息は禁止」
彼女のボールの中には、メイリオと呼ばれるパートナーのゼブライカが入っている。さすがに人の多い今は大きなメイリオを出すことは出来ないので、代わりにボールを撫でてやった。
僕とお前が一緒なら、どんな困難にだって立ち向かえるよ。
「頑張ろうな。」
マイシン島はどんなところなんだろう。
どんな旅になるのだろう。
他の儀式者達は、どんな顔をしているのだろう。
…お土産、覚えておかなくちゃな。
色々と考えていたら、無意識のうちに微笑んでいた。
イッシュのみんなの期待と希望を背負い、少女はククルタウンに一歩を踏み出す。

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がっつり減らしました。
久しぶりに書くので、どのくらいの長さの文章が適切なのかまだ分からなくて困ります。
皆さんのパートが楽しみですね!

[4] RE:リレー小説本編スレ1
Name:如月ユイナ Date:2011/11/14(月) 09:13
「うん。太陽も元気だし、俺たちの新しい門出にはもってこいの日和だね。オペラもそう思わない?」

船から降り立った人物が、体ごと振り返って後ろからついてきたシャンデラに笑いかけた。それを受けたシャンデラも、嬉しそうに体を揺らす。もし表情の分かりやすいポケモンであったならば、きっと満面の笑みを浮かべているのであろうそのシャンデラは、嬉しいことを言ってくれた大切なパートナーの周りをくるっと一回転してからそっと寄り添った。

彼らは今回ホウエン代表として儀式を行うことになる少年と、そのパートナーポケモンである。
少年の名前はユメト。その可愛らしい服装から一見少女にも見えるが、れっきとした男性でそれは身長や声からも見て取れる。そして彼が溺愛しているのがパートナーの♀のシャンデラであり、オペラというのが彼女につけられた名前だ。機嫌がよさそうにゆらゆらと体を揺らしていたその彼女が、ふと思いついたようにユメトに目配せをした。
「ん?…そうだね。やっとこうか、景気づけに。」

オペラの言いたいことを瞬時に理解したユメトが、ぱっとタロットカードを取り出した。そのままカードを手の上でシャッフルしながら、オペラに微笑む。
「まあこんなところだし、大アルカナで簡単にね。」
はい、とシャッフルの手を止めて一番上のカードを捲ってから少し眉根を寄せたユメトに、オペラが心配そうに擦り寄った。それを撫でながら、ユメトはカードの表をオペラに見せて苦笑する。
「運命の輪の逆位置だよ。これは―――」

ちょっと面倒なことになりそうだ。

その言葉を飲み込みながら、ユメトはこれからの旅路に思いを募らせるのだった。

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始まりましたね〜!
とりあえずサクっとユメトパートを書いてみました。
これからの展開が楽しみです!

[5] RE:リレー小説本編スレ1
Name:鈴木ニコ Date:2011/11/15(火) 00:24
窓を開けると、潮気を含んだマイシンの風が吹き込んできた。少年の長い前髪とピアスのチャームがちりちりと揺れる。はじめてつけたそれにはまだ違和を感じるが、母親はよく似合っているとはしゃいでいたし、父親はいつか必要になるものだと言っていた。ハート型のウロコは、過去を取り戻すための道具だという。無茶はするなと送り出してくれた両親が、今回の旅に伝統以外のものを期待していることには気付いていた。
しかし、その期待に応えることはできない。五年前、自分自身に誓ったのだ。
大丈夫。無茶なんてしない、絶対に。
深海 巡(ふかみ めぐる)。シンオウ地方を代表して、今回の儀式に参加する少年だ。

ばしゃん!
派手な水音で我に返る。船室に備え付けられたユニットバスからだ。扉を開くと、トイレの床まで水浸しになっている。うう、頭が痛い。ビニル製のカーテンを勢いよくたぐり寄せる。バスタブに水を張った簡易プールで大きなひれをばたつかせているのは、巡のパートナーである雄のネオラントだ。名前は、
「ピスケス!こら、やめてください」
ピスケスは いうことを きかない!
「…『やめろ、ピスケス』。これでいいか」
巡が言葉を崩すと、ピスケスは不満そうではあったがおとなしくなった。いつの間にか使うようになった敬語を、このパートナーは気に入らないらしい。こまったものだ。

「船、もうすぐ到着するから。おいで」
専用のダイブボールにパートナーを戻し、再び窓辺に立つ。海の向こうに、目的地である島が小さく見えていた。
二十年前、自分と同じ立場であった叔父の言葉を思い出す。そう気負う必要もないさ、修学旅行のつもりで行っておいで。きっと、素敵な思い出ができるよ!
「…そうなると、いいですけれど」
揺れるピアスに手を添えて、巡はこれからの冒険に想いを馳せる。まずは、水浸しのバスルームを片付けることからはじめよう。

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連載開始おめでとう&ありがとうございます!
巡パートです。のんきに風呂掃除していてごめんなさい\(^o^)/次のシーンでは、きちんと他のメンバーと合流できているはずです。これから楽しみですね!

[6] RE:リレー小説本編スレ1
Name:日夏ゆうり Date:2011/11/15(火) 01:17
 クチバシティを出港してからどれだけの時間が経っただろうか。それがたとえ10分だろうが1時間だろうが1日だろうが、彼にとっては永遠のように感じられた。
 早く帰りたい。
 先程から何度この言葉を反復したことか。

「あの……戦部橘平(いくさべきっぺい)さんですよね?」
「あァ?」
 ただでさえ近寄りがたいオーラを数割増しで放っていた彼――橘平に声をかけたのは、意外にも若い女性だった。
「先日のバトルステージでの活躍、見ました! 私、ファンなんです。サイン下さい!」
 女性はミーハーな視線を一心に橘平に注ぎながら、手帳を差し出している。
「はいはい、サインね……」
 面倒そうに手帳とペンを手に取ると、橘平は慣れた手つきでサインを記した。書き終わるや否や、ぶっきらぼうに手帳とペンを突き返す。
 しかしながら、そのような不遜な態度も全く気にかからないようで、女性は手帳を受け取ると満面の笑みを零し、「ありがとうございました!」と一言、駆け去って行った。
 駆け去る女性をぼんやりと眺めてから、橘平は、海風が優しく吹き込む甲板で、先程までしていたのと同じように、再び、手元でモンスターボールを弄り始めた。

 お世辞にも行儀が良いとは言えない格好、態度、言葉遣いだが、橘平もまた、地方を代表して儀式に参加する若者のうちの一人だった。だが、彼からは責任感やら使命感、期待などと言ったものは微塵も感じられない。そこにある感情はただひとつだった。
 早く帰りたい。

 そもそも自分がこの儀式に参加する義理など無かった。
元はと言えば兄が参加する予定だったのだ。それが、「儀式に参加する若者は未成年でなければならない」という基本的な掟の確認を兄と父親が怠ったことで、成人した兄は儀式に参加することができなくなった。
 百歩譲って、そのような単純な掟を見逃していたことには目をつむろう。
 何故代わりが自分なのか。そこにどうしても納得がいかない。自分は儀式とは関係の無い人間として育てられたのではなかったのか。本当に理不尽だ。早く帰りたい。

 気付くと、永遠とも思える時を経て、船はククルタウンの停泊場に到着していた。
 目前に広がる緑豊かな町を一瞥し、橘平は手元のモンスターボールにいる相棒、ニドキングのらいでんを含めた誰に話しかけるともなく、何度も繰り返したその言葉を飽きずにもう一度、ぼそりと呟いた。
「……早く帰りてェ」

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案外削りきれなくてかなり長くなっちゃいました…
追々いい感じに削る方法を思いついたら削りにきます(´・ω・`)

しかしみんな筆が速い!
へへへこれからが楽しみです…合流してからが本番ですね!

[7] RE:リレー小説本編スレ1
Name:ミンズ Date:2011/11/15(火) 19:10
「で、で、出ちゃううっ、すごいの、出ちゃうううっ」
切羽詰った様子で少女が言った。顔面蒼白である。
「ツー!?ツーッ!?」
傍らのポリゴン2がおろおろと彼女の周りを動き回る。
荒い呼吸を繰り返していた彼女は、唐突にポリゴン2をがしっと掴むと、真正面から見据えて言った。
「かけていい!?リミティの顔にぶっかけていいっ!?」
「ツー!?」
「私の出したものでリミティがどろどろになってるの見たい!」
ついに限界を迎えた彼女は持っていたビニール袋に勢い良く顔を突っ込むと、モザイクのかかったものを盛大に吐き出した。
「ふぅ…」
「ツー…?」
ポリゴン2が心配げに覗き込む。
「理性の勝利。リミティにぶっかけずに済んで良かった」
口元をぬぐうと、ふらふらと立ち上がる。
「大丈夫、ただの船酔い。…口、すすいでくるね」

彼女の名前は加藤 要(かとう かなめ)。ジョウト代表の儀式の参加者である。
故郷のヒワダタウンを出てアサギシティから船に乗り込み、マイシン島へと向かっている途中である。
要は口をすすぐと、ポリゴン2を連れてデッキに出た。
「わっ、港が目の前!グッドタイミングだね」
「ツー!」
「儀式の仲間、女の子が1人いるんだって。どんな子かな。楽しみだなあ」
最後の方はほとんど独り言になって、彼女は共に儀式に参加する少女について妄想を巡らせてしばしにやにやする。彼女は女の子が好きなのだ。
船が船着場に着くと、要は笑みを消してしっかりした足取りで港に降り立った。
特に緊張した風も無く落ち着いた様子で港を出ると、辺りをきょろきょろと見回す。
「さて、この傍にある神社が集合場所らしいけど、どこかな?行けばすぐわかるって話だったけど……あの赤いの鳥居かな?そうみたいだね。行こう」
要はポリゴン2と目を合わせて頷きあうと、神社に向かって歩き出した。

古びた神社の前に、新しく見える鳥居。
儀式の度に塗りなおされる鳥居は、塗りたての鮮やかな色を放っていた。
どうしてついでに神社も補修しないのかと関係者は愚痴るが、予算が足りず貴重な建築物の現状保存のためという名目で放置されている。
そんなちぐはぐな光景の中に、5人。
若い男性のように見える者が4人、鳥居にもたれかかったり座り込んだり、思い思いの姿勢で人を待っていた。その中央に、初老の男性が1人立っている。
鳥居の向こうから足音がして、小柄な少女が姿を現す。
「うむ、揃ったようだな」
初老の男性はあごを撫でると、おもむろに皆を見回して言った。
「うぬら5人が今回の儀式の代表だ。一緒に旅をする仲間となる。仲良くせねばならん。まずは自己紹介をせい。そうだな、一番最後に来たのだしうぬからだ」
指された少女は、仲間となる4人を見回して女の子らしい人物がいないことを見て取ると一瞬がっかりしたような顔になったが、すぐに真顔に戻って言った。
「加藤 要、ジョウトの代表。こっちはパートナーのリミティ。よろしく」
初老の男性は拍子抜けしたような顔になる。
「それだけか?他に何か言うことは」
「一番最後に来てすいませんでした」
「そうではなくて、趣味とか今回の儀式に臨むにあたっての抱負とか」
要は考える様子も無く即答する。
「がんばります。以上」
「……。えー、次の者」
続いて指された若者が、口を開く。
++++++++++++++++++++++
遅くなってしまってすみません;
かなめの第一声はネタで言っているだけで普段はそんな口調ではしゃべりません。
後は普段の口調です。
文章量減らさなくていいのよ…王子の耳ふーシーン良かったのにもったいない!3000字を上限に設定したのでそれに引っかかったらちょっと削った方がいいかな程度に考えてください。って言うの遅いよすみません。

かなめは他の4人を見て女の子らしい子がいなかったのでがっかりしてそっけないです。
男に聞かせる自己紹介はねえ的な。

[8] RE:リレー小説本編スレ1
Name:如月ユイナ Date:2011/11/16(水) 16:45
「……ん?俺かな?」

次に指名されたのは丁度いい大きさの岩に腰掛けていた若者であった。彼は手先で弄んでいたタロットカードを纏めると、にっこりと皆に笑顔を見せながら自己紹介を始める。

「初めまして、俺はホウエン代表のユメトだよ。歳は19、趣味は占いで特技はポケモンを可愛くすること。それでこっちがパートナーのオペラ。美人でしょ?こうして一緒に旅をすることになったのも何かの縁だし、仲良くしてね。…あ、今回の儀式に臨むにあたっての抱負は気楽にいくことかな。折角代表に選ばれたんだし、楽しくいこうね。」

柔らかい雰囲気のまま自己紹介を完遂したユメトは「これでいいかな?」と初老の男性に向かって首を傾げた。
「うむ、上出来だ。」
「ふふ、よかった。」
自己紹介に太鼓判を押されたユメトは、オペラを抱きかかえて座りなおし、完全に他の代表者の自己紹介を聞く体勢に入った。この一連の流れを見ていた要が、「なんでこの人女の子じゃないんだろう」と内心舌打ちして、次の瞬間どうでもよくなっていたのは彼女だけの秘密だ。

「さて、次はうぬだ。」
落ち着いて聞く体勢に入ったユメトを見た男性が、次に自己紹介をする代表者を指す。

++++++++
ちょっと短いかな?
でも早く自己紹介を終えてみんなの絡みに行きたかったので初登場同様にサックリ仕上げました。
かなめたんの心情を勝手に入れていいものかと一瞬悩みましたが、リレー小説でそんなの気にしてたら進まないな!もったいない!と思ったので勝手に書きました。今後もキャラの設定と見当違いなことを書いてしまったらどんどん言ってください!その度に調整してみんなで小説を作っていきましょうv(´∀`*v)
そして他の代表キャラの自己紹介にwktk!

[9] RE:リレー小説本編スレ1
Name:スラリン Date:2011/11/16(水) 21:07
「次は僕ですね」
初老の男性に一番近い場所に立っていた者が一歩、儀式の参加者たちに歩み寄る。
短い黒髪の少女…いや、見方によっては少年にも見える風貌だ。

「僕の名前は平儀野 司。イッシュ地方を代表して来ました。そしてこっちが、」
司はポシェットからボールを取ると、ポケモンを呼び出した。
現れたのはゼブライカ。ぶるるると二三度首を震わせたあと、司の隣についた。
「パートナーのメイリオ。これからよろしくお願いします。」
「ほう、これは立派なゼブライカだ」
前代のゼブライカはそこまで大きくなく、トレーナーが長身の男性だったので、そこまで
目立つような存在ではなかった。
しかしメイリオは他のゼブライカよりも一回りは大きく、トレーナーがやや小柄というのもあり
その大きさは一層目を惹くものであった。
「ありがとうございます。さっきは人が多くて出すことが出来なくて」
嬉しそうにメイリオの背中を撫でる。
「わあ、まるで白馬の王子様だね」
微笑みながらそう言ったのは、シャンデラを抱えている先ほど自己紹介をした青年。
「シマウマだけれどね…ありがとう。」
(…ここでも王子か…)
「あの、」
「ん?」
語りかけてきたのは、一番最初に自己紹介をした少女だ。
「1人女の子がいるって聞いたんだけれど、それは…」
「…僕だね。よろしく、要」
「よろしく、えーと…ゼブライカのパートナーさん」
「司だ。覚えてくれると嬉しいな」
「…努力する」

「…ふむ、それでは、次はうぬの番だ」
男性に指された者に、皆の視線が一斉に集まる。

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ざっくりと。
宮司の前なのでかしこまっていますが、参加者に対しては普通に話します。
王子と言われ慣れている王子。

[10] RE:リレー小説本編スレ1
Name:鈴木ニコ Date:2011/11/17(木) 00:41
「俺、ですよね」

いちばん奥に立っていた、大人しい印象の少年だ。すらりとした長身に、端整な顔立ち。控えめに鳥居にもたれる姿は様になっていたが、本人は皆に注目されていることが気恥ずかしい様子だ。伏し目がちに前へと出てくる。

「深海 巡です。シンオウ地方を代表して、今回の儀式に参加します」
鞄からパートナーのものだと思われるダイブボールを取り出す。差し出して見せるが、ボールの開閉ボタンを押そうとはせず、
「パートナーのピスケス。ここには水がないので、ボールから出すことはできません。ごめんなさい。雄のネオラントです。存じていると思いますが、魚型のポケモンです」
「本物はまだ見たことないけれど、知ってるよ。海の底で、ひれの模様がかがやくんでしょ?きっと綺麗だね、楽しみだな」
先ほどユメトと名乗った青年が、ゆったりと微笑みかける。その笑顔は巡の緊張を幾分かやわらげてくれたが、ユメトが抱えているシャンデラの炎が、ひどく揺れていることが気になった。悪寒が走る。

「ええと、俺にできることならば、精一杯お手伝いします。よろしくお願いします」
『お手伝い』という単語に、ダイブボールがかたかたと反応する。巡が空いた左手でおさえこむと、それはおとなしくなっていた。
自己紹介を終えた巡に、ゼブライカを従えた司が歩み寄ってくる。
「よろしく、巡。お互い助け合っていこう」
後方では、ユメトがにっこりうなずいている。要はユメトのシャンデラを凝視している。そして、残ったひとりは ――

「よし。最後はうぬの番だな」

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ピスケスはどこでお披露目できるのだろう…まあ、ぼちぼちといきましょう。
ユメトお兄さんが癒し。ラストはきっぺちゃんお願いします!

[11] RE:リレー小説本編スレ1
Name:日夏ゆうり Date:2011/11/18(金) 15:58
「何もねェ」
 最後に指名された少年は、元々悪い目つきを更に尖らせ、他のメンバーをぎろりと睨むように一瞥すると、直ぐにそっぽを向いた。
「何も無い訳はなかろう。せめて名前と出身、パートナーの紹介だけでも……」
「ねえっつんてんだろ! 聞こえねえのか、このクソジジイ!」
「く、くそじじい……」
 宮司が凄みのきいた罵声に2、3歩引き下がる。巡は怖ず怖ずと成り行きを見守り、要はこれだから男は、と言ったような顔で呆れ返っていた。

「君、そういう言葉遣いは無いんじゃないのか」
 沈黙を破ったのは司だった。
「……あァん? てめぇ誰に向かって口利いてんだ」
「黙って聞いていれば、随分と失礼じゃないか」
 司は鋭い視線に怯むことなく、1歩前に出て続ける。
「初対面でこんな事を言うのもどうかと思うが、年上にそんな口をきくものじゃない。それに、僕達はこれから儀式を通して長い時間共に過ごすんだ。もっと仲良くしないと」
 的確、かつ節度をわきまえた指摘にその場にいた誰もがうんうん、と頷いた。
 当の本人を除いては。
「ハッ! どいつもこいつも儀式、儀式。俺はなァ、こんな下んねえ儀式、とっとと終わらせて帰りてえんだ。どうせ続ける理由もねえんだろ!」
「な…ッ! 下らないだって!」
 流石にこれには司もカチンと来たらしい。眉を吊り上げ、端正な顔立ちをみるみる強張らせた。
 一触即発。

 そこにユメトが割って入った。
「まあまあ。折角何かの縁があって一緒に選ばれたんだし。少しずつ仲良くなってこうよ」
 ユメトがにこにこと微笑むと、場の空気が和らいでいく。その余裕は、年長者だからというだけでなく、ユメト自身の持つ独特の雰囲気が作り出していた。
 ユメトが「ねっ」と笑いかけると、問題の元凶である彼は、舌打ちを一度してから、再び顔を背けてしまった。

「じゃあ、自己紹介も終わった事だし、訓示、やりましょうよ。宮司さん」
 ユメトのその言葉に我に返った宮司は、「そうだな」と頷き、一同を本堂に招き入れた。

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お待たせしましたー!きっぺ自己紹介(?)です。
思ったよりもきっぺ態度悪くて書いてた本人もびっくりですwww王子と喧嘩させたかったんだ…
まだ名前も言ってないので,どこかで聞き出してやってください。

さてさてお次は訓示ですねー^^

[12] RE:リレー小説本編スレ1
Name:ミンズ Date:2011/11/18(金) 19:12
このスレはここでおしまいです。
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